絵本を教えていると
絵が下手だと自分を駄目に思ってる人が多い
僕は、逆に絵が下手な事を誇りに持てと言いたい
なぜなら、下手の概念の差である
何と比べて、下手なのか・・・
いわゆる絵画の基礎的なデッサンとか、技術・技法的な部分の
上手な絵と比べて下手だと思っている事が多い
美術界では・・・そうなのかも知れないが
絵本の世界は、それが個性として生かされる世界なのである
下手とは、他と違うという事
他と違うという事は、個性のなのである
描けないのに描こうとするから
バランスや世界観が崩れて変に感じる
変に感じると下手に思える
逆に言えば、上手な絵とは
まとまった絵なのかもしれない
まとまった絵とは・・・あたり触りの無い絵
それに、技術とか技法が加わり
普通の人には、描けないから・・・凄い絵に思えるだけなのかも知れない
良く、子どもの絵は凄いと聞くが
本当の意味で、その凄さに気づいているのだろうか
なぜ、子どもの絵が凄いのか
それは、上手に描こうと思っていない
思うまま、感じたままに描くパワー
そして、それを押し切るパワー
その強さこそ、個性のある絵を描く力となる
下手でも良いという事では無い
自分の描きたい絵を描き
作品としてまとめる力を身につけなきゃならない
作品として、まとめる・・・
それは、違和感や変と感じる部分を無くする事
自分の世界観
自分の表現を押し通して
自分の絵を描きる
そこに絵本の絵があるのかもしれない
デッサンを必死にやり、技術を磨き
技法を身に付けても
歴史に残る絵描きは、最終的には、それらを捨てて
自分の絵の表現世界を確立していくのである
基礎があるからだよという人は
自分の絵を描ききっていないだけである
自分の絵は、自分の絵
自分しか描けない絵なら
基礎とか関係なくなるのである
もっと、自分の絵に誇りを
もっと、自分の個性を大切にして欲しいものだ
やる事をやって
駄目なら、それで良いのである
やる事をやらない理由に
基礎が無いとか、デッサン力がないとかいうのは
逃げでしかない
逃げている人の絵は・・・逃げている絵なのである
擦り込まれた絵に対する考え方や見方を壊さなければ
なかなか・・・自分の世界観の絵は描けない
絵が下手である事に誇りを持て
それは、ピュアであるという事なのである
前にも書いたが、
絵本作家のヤーノッシュ(ヤノッシュ)という人は
美術学校を下手で退学(除籍)させられ
それでも、描く事が好きで、描き続け
ある事をキッカケに
絵本の世界に入り
世界的な絵本作家として有名になった人なのである
あの絵は、誰にも描けない
遠近法も、ものの大小も
関節の曲がりも・・・おかしい
それでも、魅力を感じる絵なのである
上手な絵が良い絵なのではない
下手でも、味のある絵 感じれる絵が良い絵なのである
それが、絵本の絵だと僕は思っている