作家の境遇が、作品に現れる
作家の人生観が、その人の作った作品にあらわれる
それは、その作家の考え方、テーマになっているから
人種差別について描いた作家
表面は、とても可愛い絵だけど
良く読んでいくと、その意図が人種差別や偏見に対しての
お話しになってたりする
そういう、深い意図の作品は、その作家の作品を
一冊読んだだけでは、わからない
何冊か、読んでみると作家の作品に対してのテーマが見えてくる
人間の欲深さ・自己主義・・・そんな重い事を絵本という世界で
表現している作家もいる
訴えたい、知らせたい、知ってもらいたい・・・そんな意欲が
作品作りのエネルギーになってるのかもしれない
それは、無理にそうやって作ってるのでなく
作家の思想だから、自然なのだとは思う
無理にあてはめて作っていたら、どんな作品もわざとらしくなり
底の浅い作品になってしまう
隠しテーマがある作品ほど、深い作品になっている
人生観が、大切なんだよね
人生観という重い言葉でなくても、人それぞれの価値観でもよい
自分なりの価値観を持って作品を作ると芯のある作品が作れると思う
有名なアンデルセン
彼も悲惨な現実からの逃避で、
彼の作品は死んだら救われる
今の世界では、駄目だけど、死んで別の世界にゆき
生まれ変わったら、救われると思ってた時代の作品は
みんなラストに死んで救われている作品が多い
その後、アンデルセン自身が、死んでからでは・・・と思って
人生観を改めた作品は、ラストパターンが変わっている
あんまり知られていないが、日本の久瑠島武彦という人が、アンデルセンの生地を訪れた時に、アンデルセンの生家が物置同然に扱われていたり、墓が手入れもされないで荒れ果てている事に対して、アンデルセンの復権を訴え、アンデルセンを復興させたんだよ。デンマークの人々は彼を「日本のアンデルセン」と呼ぶようになったんだよ
読み聞かせ(口演童話)の世界、童話の世界では、元祖的な人
ボーイスカウトの初代会長だったかな?
童謡の夕やけ小やけの作詞家だよ
まぁ、余談が長くなったけど
やはり、作家の境遇が作品に現れ、それがテーマになり
芯のある強い作品になったり、人の心を動かす基になってたりするって話
絵本じゃなくても、アートの世界では多いよね
そこが作品の強さ、ロングセラー、国境越えの基かも
人の感情は、全人類共通だからね
<文責・ab-絵本創作塾 須田繁太>